既治療RAS変異NSCLC:daraxonrasibの奏効率は用量別31~37%、Grade 3以上有害事象54%
試験名:RMC-6236-001(NCT05379985)
試験名:RMC-6236-001(NCT05379985)。既治療の進行RAS変異NSCLC 136例を評価したPhase I/II単群試験で、経口RAS(ON)マルチ選択的阻害薬daraxonrasibの奏効率は用量別31~37%でした。Grade 3以上の有害事象は54%でした。
詳細
背景
RAS変異はNSCLCで最も頻度の高いがん原性ドライバー群で、約30%に認められます。Daraxonrasib(RMC-6236)は、GTP結合型の変異型および野生型RASアイソフォームを標的とする、経口RAS(ON)マルチ選択的tri-complex阻害薬です。RAS変異NSCLCにおける安全性と有効性は明らかでなく、本試験は用量漸増・拡大により評価しました。
方法・結果
既治療の進行RAS変異NSCLC患者を登録した多施設Phase I/II用量漸増・拡大試験です。Daraxonrasib 10~400 mgを1日1回、21日サイクルで投与しました。主要評価項目は安全性、副次評価項目はRECIST 1.1による研究者判定の客観的奏効と奏効期間でした。2025年7月21日のデータカット時点で、300 mg以下を投与された136例を安全性・有効性解析の対象としました。全Gradeの有害事象は99%に認め、30%以上にみられた事象は発疹、下痢、悪心、嘔吐、粘膜炎または口内炎でした。Grade 3以上の有害事象は54%で、肺炎10%、下痢9%、発疹8%、貧血5%でした。Grade 5事象は4件でした。客観的奏効率は120 mg以下で31%、160~220 mgで34%、300 mgで37%でした。
結論・臨床的意義
既治療の転移性RAS変異NSCLCに対し、daraxonrasib 300 mg以下では30%を超える抗腫瘍活性が確認されました。一方、Grade 3以上の有害事象は54%であり、本報告は有効性の確証ではなく、安全性を主要評価項目とする早期相試験の結果です。
限界
出版社の原著全文を取得できず、確認できたPubMed抄録には著者が明示した限界の記載がありませんでした。
AI COMMENT
RAS変異を一括して標的にできる可能性は臨床的に魅力的ですが、これは対照群のないPhase I試験で、主要目的は安全性です。用量別奏効率31%、34%、37%は別々の非無作為化コホートの記述値であり、明確な用量反応関係や既存治療に対する優越性を示しません。また有害事象は因果関係を問わず集計されており、Grade 5事象4件をそのまま薬剤関連死亡と読むことはできません。今後はRAS変異サブタイプ別の効果、奏効の持続性、比較試験での臨床利益を確認する必要があります。